• 石狩市・厚田総合センター2Fホール

漁業と洋上風力発電

 12月23日(金)、厚田総合センター2Fホールで行われた勉強会では、弘前大学 地域戦略研究所の桐原慎二教授が登壇。「漁業と洋上風力発電」についての講演が行われました。
講演では洋上風力には「着床式」と「浮体式」の2種類があることを皮切りに、世界の現状を紹介。同じ島国でも日本は洋上風力の導入量がイギリスの243分の1しかなく、あわせて、我が国の漁業権について解説されました。
 一般海域での洋上風力発電の導入ルールなどを定めた法律で漁業との関わりが深い「再エネ海域利用法」については、有望区域がどのように選定されるのか、ゴールとなる海域占有が許可されるまでにどのようなプロセスと条件があるのかなどをフローチャートも使って分かりやすく解説。これまでに有望区域に選定された全国13箇所の事例が紹介されました。
 また、後半は洋上風力発電の導入には漁業との協調が必要と話し、相原教授自身がこれまで行ってきた取組を紹介。環境省からの受託で実施した青森県漁業者へのアンケートでは、漁業への影響や不安がある一方で、漁業振興などのメリットも見えてきたと言い、漁業者が主体的に将来そうなってほしい海と浜(漁村)の姿をまとめた「漁業ビジョン」をつくり、自治体や事業者に意見を求めることが大切だと説明。実際に取り組んできた青森県の下前地区、小泊地区の漁場ビジョンを報告しました。ほかにも洋上風力発電の音が水中に与える影響や漁港と風車を活用したナマコの養殖についても解説し、来場者の判断材料にしてほしいと訴えました。

弘前大学 地域戦略研究所 教授 桐原慎二
会場の様子