- 神恵内村・漁村センター
洋上風力発電と地域がつながる勉強会
神恵内村で行われた住民説明会は、講師を務めた東邦大学 理学部 生命圏環境科の竹内彩乃氏の自己紹介からスタートしました。社会工学のスペシャリストとして、社会の新しい制度をつくっていく研究を行っているという竹内氏は、ドイツで洋上風力発電を推進していた企業に勤めていた経歴の持ち主。洋上風力発電事業に関わる社会的受容や日本での展開について、今まさに研究していると話します。
説明会は、出席者同士での自己紹介、7年後の2050年に神恵内村がどんな村になっているかをそれぞれ想像してもらう時間を経て、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の話題へ。「茅恒等式」を紹介しながら、二酸化炭素の排出量を減らすために必要なことを説明し、洋上風力発電への切り替えもその一つであると示しました。
海に囲まれている日本は洋上風力発電が期待できる場所であり、実際に取り組まれている長崎県五島市、福岡県北九州市、秋田県能代市の事例を自身が撮影してきた画像ととともに紹介。洋上風力発電にはヒト・モノ・カネが集まる仕組みがあり、導入には、どんな変化が起こってくるかを“見える化”して選択できるようにするための方法「シナリオ・マッピング」が有効だと言い、スコットランドや、鹿児島県薩摩川内市の「柳山ウィンドファーム」の事例を取り上げました。最後に地元の人たちは洋上風力発電事業の何に参加できるのかを説明。現在は知るという段階であり、洋上風力発電を地域としてどのような存在として考えるかが重要で、まちの幸せな将来像の中に洋上風力発電がある未来を描いてほしいと伝えました。

