• せたな町・せたな町民ふれあいプラザ

洋上風力発電と地域がつながる勉強会

 せたな町では、前日の神恵内村での説明会と同様に、東邦大学 理学部 生命圏環境科の竹内彩乃氏による「洋上風力発電と地域がつながる勉強会」と題した講演が行われました。2045年までに現在の半数近く人口が減ると予測されているせたな町。竹内氏は、将来的にも持続可能なまちにしていくためには、幸せなまちの将来像を描き、そこから遡って考えていくことが大切だと説明し、講演を通して、みんなで幸せなまちの将来像を考えていきたいと訴えました。
 また、講演後には4人1組のグループで、「せたな町で2050年にどんなことをしたいか」「どんなまちなら住んでいたいか」を議論しました。参加者からは、洋上風力発電は地域や漁業者にどんなメリットをもたらすのかも説明してほしいという要望があり、竹内氏は2012年から実証事業が行われている長崎県・五島市の事例を報告。そこでは、地域と漁業者を巻き込み、洋上風力発電だけでなく、漁業や地域の産業振興についての話し合いが進められたと話し、その結果、電気を水素に変えて漁船に使っていく計画や藻場造成のプロジェクトなどが立ち上がり、研究者と実現に向けた取組が行われていると伝えました。また、質疑応答では、成功しなかった例も知りたいとの質問も。竹内氏は、過去の事例を紹介しながら、「洋上風力発電には健康被害や景観の変化、自然環境や生態系への影響などが懸念事項としてありますが、今回のような将来像を考えるワークショップが、具体的にどのような懸念点があるのか、地域の守りたい価値とは何かを考えるきっかけになれば」と理解を求めました。

東邦大学 理学部 生命圏環境科学科 竹内彩乃
会場の様子