- 島牧村・ふれあい交流センター「おあしす」
洋上風力発電と地域創生
島牧村では、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターのセンター長である宮下和士教授が登壇し、「洋上風力発電と地域創生」をテーマに講演。宮下氏は、洋上風力発電は国際的にも有力な資源として開発が進んでいると解説し、日本でも注目されている背景には「2050年カーボンニュートラル」「新たな産業の創出」「エネルギー自給率の向上」という3つの理由があると説明しました。実際、国としては今後、GX(グリーントランスフォーメーション)を推進し、産業競争力の強化に向けた「洋上風力産業ビジョン」も打ち出していると紹介。日本は洋上風力のポテンシャルが高く、再生可能エネルギー大国となる可能性を秘めていると話し、政府や産業界が描いている目標値や全国の事業化促進区域などの具体的な取組を報告しました。
一方で、洋上風力にはメリットだけでなく、デメリットもあることを伝え、特に懸念される漁業に関しては調査方法を詳しく説明。また、懸念事項を徹底的に洗い出し、課題を分けて調査して解決方策を提案していくことが大切であると力説しました。
最後にはまちづくりに関わる話として「デジタル田園都市国家構想」を紹介。地方の魅力をそのままに、都市に負けない利便性と可能性をデジタルの力で構築していく構想で、宮下氏はその中でも特に「地域経済循環型」「スマートヘルスケア先行型」「防災レジリエンス先行型」のアプローチに注目していると言い、洋上風力事業のような、かつてない有望な経済的価値を持つ地方資源の恩恵を地域の人たちが享受するためにも「デジタル田園都市国家構想」とのカップリングが成功のカギを握っていると予想しました。

センター長・教授 宮下和士
