- TKP札幌駅カンファレンスセンター
洋上風力発電事業 道内企業参入促進全道セミナー
会場とオンラインの両方で開催されたセミナーは、2人の講師が登壇し、洋上風力発電の現状や参入に向けて役立つ情報をそれぞれ紹介しました。
1人目の株式会社三菱総合研究所 サステナビリティ本部の主任研究員である寺澤千尋氏は、「洋上風力関連産業の地元企業の参入可能性」と題して、洋上風力の種類や風車のサイズなどを細かく分析。世界的な市場と今後の計画などを踏まえた上で、「日本はまだスタート位置に立った段階で、ようやく拡大のフェーズに進んでいる」と将来性の高さを示唆しました。さらに日本はポテンシャルに恵まれている国であり、日本のエネルギー基本計画においても重要な電源として位置付けられていると説明。現時点での洋上風力のサプライチェーンを伝え、入口となる調査・プロジェクト開発は地元への委託の可能性が高く、組立・設置や運用、メンテナンス、撤去においても地元企業が活躍できる場があるとの見解を示しました。
また、2人目の一般社団法人日本風力発電協会 技術第二部の吉村光弘部長は「洋上風力の必要人材と業務内容」について講演。導入拡大が確実視される洋上風力発電では、2032年までに36,000人もの人材が必要となる見込みで、日本風力発電協会では洋上風力に関わる人材に必要とされるスキルをまとめた「洋上風力スキルガイド」を発表しています。講演では第6章で構成されるガイドの全体像を伝えながら、業務分野別の必要人材をまとめた第3章、親和性の高い産業を整理した第4章、開発・運用の際に求められる資格やスキルを記載した第5章について、特に詳しく説明されました。さらに吉村氏は、「風力発電は産業としての歴史が浅く、今からでも参入は遅くない」とエール。「洋上での参入が難しい場合は陸上での風力発電で知見を付けてから洋上に参入する方法もある」とアドバイスを送りました。

脱炭素ソリューショングループ
主任研究員 特命リーダー 寺澤千尋


